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舞歌さんの「茶漬幽霊」
2012/09/23(Sun)
ぼんじゅう亭で千壱夜舞歌さんの「茶漬幽霊」を観た。
大胆にオチ以降を追加し、堂々の人情話に仕立て上がっていた。
ちょっと長くなりますがレポートします。


まず、「茶漬幽霊」のあらすじはこう。



最愛の妻と死に別れた男のもとに、後添えを貰う話が来る。
男は「先妻がきっと化けて出るから」といやがる。
なぜなら、いまわの際に、「金輪際、メス猫一匹ひざに乗せへん」
「それを聞いて安心したわ」と、誓いを立てているのだ。
なんせ、「あんたが後添え貰ったら、鼻にかぶりついて追い出す」
とまで言っていたのだから。これはホンマに化けて出る・・・

それでも縁談は進み、ふたたび夫婦に。
男はきっと先妻が化けて出ると身構えるが、何故か先妻の幽霊は
出てこない。

3年の月日が経った。後妻が芝居に行くと言うので、男が
ひとり、昼飯に茶漬を食べていると、先妻の幽霊が現れる。
先妻は男が後添えを貰った事を「約束が違う」となじる。男は
「お前が鼻をかじって追い出すと思っていたが出てこない、3年も経った」
と応酬する。先妻は「死ぬとき頭を丸められたので、伸びるのに3年
かかった」と言い訳をする。

それにしても幽霊なのになんで昼間に出てきた、と聞かれ、「怖いから」
というオチでこの話は終わる。普通は。



舞歌さんの「茶漬幽霊」には続きがある。

先妻は、男が食べていた茶漬の横の漬け物をもらって食べてみる。もう一切れもらって
食べる。誰が付けたのか聞くと、男は言いにくそうに、後妻が漬けたものだと言う。
先妻は、そろそろ帰る、と言う。ふたりで外に出るとセミの大合唱。
鳴き声に掻き消され先妻の言葉がよく聞こえない。聞きなおすと
「お漬け物、おいしかったで」



私は最初、追加された部分の意味が良く分からなかった。
なぜ先妻はわざわざ漬け物を、しかも2回も貰って食べたのか。
そして最後の最後になぜ、「漬け物がおいしかった」事を伝えたのか。

帰り道、東急世田谷線の車中で、やっと私は理解した。

先妻はこれで成仏できたのだ。
化けて出るほどの未練を、漬け物の味で吹っ切ったのだ。

自分が愛した男が、自分の死後、後添えを貰っている、
私はそれが我慢ならず化けて出てる(思いが残るとはこのことだ)、
どうする事もできないし男は逆切れするし、これでは浮かばれない、
ふと目に入ったお漬け物を食べてみる。思いのほかおいしい。
聞くとやはり後妻さんの漬けたもの。ああ、こんなおいしい漬け物
を漬けられる人になら、この人を任せられる・・・



漬け物好き、漬け物上手という伏線が、実はまくらと話の前半に張ってあって、
きっちりその伏線をラストで回収し、舞歌さん版「茶漬幽霊」は終わる。
セミのシーンは非常に映画的で、個人的には「異人たちとの夏」を思い出したほどの
情景の広がり方でした。
そして、後でメールでご本人に聞いたのだが
「(先妻が)笑われて終わるのは、女性として演じたくなかった」とのこと。
頭の中がアンコでできている男の子には100年かかっても作れないし、
10代20代では、この余韻は理解できないだろう。オトナの落語だわ。

舞歌さん、どうもありがとうございました。世田谷線でちょっと泣きました。
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