寄席点描(140504-06)GW名古屋3連戦
2014/05/11(Sun)
いまさら、ホント今さらになってきましたが、書いてしまわないと先へ進めないような気がするので、書いておこうと思います。おそらく長くなります。

ゴールデンウィーク、所属している楽語の会主催の寄席3つに、3日連続で出演させて頂きました。
3日連続で落語、しかも全部違うネタ。わたし、今んとこ、持ちネタ3つしかないので、全部です。
要はカラオケ行って8時間かけて持ち歌全部歌え、と言われているようなもので、非常にチャレンジングな内容となりました。
GWは遠方優遇、というリーダー無眠さんの配慮もあり、大阪の猿之助さんや関東のかね平さん小遊さんが参加、という「天下一武闘会」のような様相を示していました。まあ私はクリリンみたいなもんですがってやかましいわ。
しかもネタのひとつが「遺言」、これは猿之助さんの大得意ネタであり、猿さんの前でこれをやる、っていうのは、石川さゆりと一緒にカラオケに行って「天城越え」歌わされるようなもの。しかも3連戦のハイライトとなる寄席で。

ちょっと話がそれますが、私はいつも全力でやるようにしてます。
と言うか加減の仕方が分かりません。
ベースにはエガちゃんこと江頭2:50の言葉が実はあります。

曰く、

  「これをやったら次回でられなくなるんじゃないか」
  なんて考えないようにしている。

  人間いつ死ぬか分からないから 、
  その時の全てを出し切りたいんだ。

  俺はいつ死ぬか分からないし、
  見てくれる人だっていつ死ぬかわからない。

  視聴者が最後に見た江頭が、
  手抜きの江頭だったら申し訳ないだろう?



そう、手抜きのまめぞうなんてお見せしたら、それこそ時間泥棒だわ。

なーんて、いっつも勝手に心の中、遺書を書いて舞台に臨んでいるのですが、そんな気合で望んでも、結果はなかなか思うようにならないもので。

4日 中日寄席 「阿弥陀池」 ×
5日 津島マラソン 「遺言」 △~○
6日 明通寺  「饅頭怖い」 ×~△

自己採点としてはこんな感じです。

4日の阿弥陀池、最悪でした。このネタへの取り組み方を根本的に考え直すか、もう封印する時期に来ているのか。
昨年1月に社会人で落語復帰第一弾でやった内容から、今回、かなり元ネタに戻し、いわば本寸法、「付け焼刃は剥げ易い、人から聞いた話をよそでしてもしくじる」という、上方の仕込みネタのベーシックな笑いをもう一度見直すつもりでやったのですが、なんかもうスッカスカ。人から見るとまだまだ変化球だらけ、そこまでいじる必要あるの?と反省会で指摘され満身創痍。声張りすぎ、全部取りに行ったらお客も自分も疲れる。そんなご指摘が身に沁みました。自分の不甲斐なさに、打ち上げでボロボロに大泣きしました。でも2次会のカラオケで復活。ウルフルズその他歌い終電で帰宅。

5日の遺言、めっちゃウケました。それこそ割れんばかりに。ただそれはネタが元々面白いのと、ニンに割と合ってたからであって、100%自分が意図して産み出せた笑いとはとても言えないような気がしてます。だいたい、色々やらかしすぎた。キセルの灰落としてないとか。何年落語やってんだ。それと今回、着物を新調したのですが、それに合わせて栄歌さんが羽織、猿さんが紐を貸してくれ、生まれて初めて羽織を着て高座に登りました。ところが慣れない事をするとロクなことがなく、羽織を脱ぐのを忘れてネタに入ってしまい、いつ脱ごうかしらんと考えてるとネタを飛ばし、と学生かおまえは!みたいなオロオロ具合で、客席の舞歌さんやはるかさんは観てて「ああっ!」と顔を覆ったそうである。甥っ子のピアノの発表会か。

でもよー受けたなあ・・・(半笑い)

6日の饅頭怖い。前日までの疲れで声が飛び、全然伝わりませんでした。出る資格ありませんでした。ちゃんと体調管理しないとダメですね。



その他、思い出深いところを、恒例の点描方式で。

いろんな方が観に来て下さいました。岡崎から落大OBのこまちさん、大阪から同じく落大OBの圓九さん、そしてけーじさん。関東から落語仲間の駄咲さんじむちょうさん夫妻、二松のはるかさん、舞歌さん、ちょろぎ。皆さん本当にありがとうございました。比較的マシだった遺言をお見せできて、まあ良かったです。
 おこがましいかもしれませんが、社会人落語に深入りし始めてから、単身赴任&出張多いというのを活かしてあちこちの落語する方と関わり、つながるようにしてきたことが、徐々に徐々に他の方にも伝染してるんだったら、こんなに嬉しいことは無いなと思ってます。常々、私はこの世界でシナプスとか、あるいは触媒みたいな存在でありたいなと思ってます。


楽語の会のメンバーの皆さん。寄席運営への有形無形の関与、そして個々の落語のスキル、見識、本番での実力。これだけ年齢層、芸風等多彩で、しかも充実している会は全国でもそうないのではないかと思います。百戦錬磨の安定感、それでいてストイックでアツい。またこの集団を取り纏めている竜宮亭無眠さんの求心力、心配り、そして舞台への熱意&結果。冗談抜きで文化功労賞ものです。今更ですが参加させて貰っているヨロコビをヒシヒシと感じています。

猿之助さん。この方の落語に対する熱意、知識量、ネタに対する細やかな演出には本当に圧倒される。本当に落語が好きなのが、イヤッちゅうほど伝わってくる。イヤーッ!(ここは言わなあかんかなと)
 落語を通じて自分を表現する事にこれだけ肩入れしている姿を観ると、自分の卑小さにちょいちょい嫌気が指しますが、それでもこんなスゴくてどびつこい人と親しくできて、マンモスうれP!

小遊の姐御。東京から一緒に出征し、ずーっと同じ部隊で各地転戦した、ほとんど戦友です。
 僭越ですが、割と前から考え方とか取り組み方とかルックスがいい所とか、自分とかぶるところが多く(なんかへんな事言った?)、苦楽を共にしたと勝手に思ってます。
 この4日間でやっと「まめぞう」と呼び捨てにしてもらえたので、私も安心して年増呼ばわりできます。


下座陣。これは先日、先行でツイートしたので再掲します。

 【謝辞】私のにんじゃりばんばんの出囃子化や、栄歌さんの「七段目」ハメモノを即日対応するきよきよさん&まきぞう嬢の実力と根性。「演者さんのリクエストには応えたいし応えようとしなければ下座で参加する意味がない(まき嬢談)」。演者は、斯様な下座さんの獅子奮迅の演奏を頂き演じてます。謝。

 マラソンの当日、下座で「吐きそう・・・」と言いながら、仇討ち直前の町娘のような形相で三味線を弾くきよきよさん。そしてその夜、打ち上げで完全に壊れてたきよきよさん。壊れる資格あるよなあ、と思って見てました。うるさかったけど。


中日寄席での反省会。
 この寄席はハネた後、演者の自己反省の弁のあと、他メンバーから指摘や意見をしてもらうという、チョー建設的な会。「中日だけは反省会をする」というのは無眠さんのポリシーでもあります。
 本当に沢山のご意見を頂きました。なかなか普通の寄席で、人の落語に意見って言いづらいもんです。それを敢えて、言う場を設定してある、というところに、ものごっつ値打ちがあると思います。頭ごなしでなくみな親身だし。ほんとありがたいです。


マラソン寄席の翌朝。明通寺に備え、ちょいとネタ繰ろうと座敷の隅でブツブツ言いかけると、
 
 「ちょっとええか」

 と無眠さん。即席でその場でマンツーマンの稽古を付けて頂きました。
 終わって、なんてありがたいんや、と思ってると猿之助さんが、

 「で、お前の遺言やけどな、」

 と、続けて「遺言」に関する具体的な演技指導。これまためっちゃありがたい。

 石川さゆりに

 「浄蓮の滝~やなくて、浄蓮のタァキィ~ね」

 って教えてもらうようなもんですわ!

 ふと見ると、いつのまにか他のメンバーも、横で真剣な顔で聴いている。「いや、こういうの俺らもめっちゃ勉強になんねん」と栄歌さん。いくつになっても研鑽せなあきませんよね。そうですよね。大御所の皆さんからご意見頂戴できたのは、じつは一番の収穫なのかも。


・他の方のネタに関して。猿さんの「質屋蔵」、夢輔さんの「宗論」、素晴らしい舞台百出でしたが、書き始めると恐ろしい量になってしまうので、一個だけ、個人的ベストアクトを。

 栄歌さんの明通寺での「七段目」。もうこれは、ほんまにびっくりしました。

 正直言って芝居噺って歌舞伎を知らんと面白くないやろ、と勝手に片付けてしまってました。
 甘かった。甘すぎました。面白すぎました。
 歌舞伎のパロディとか真似をする事自体が面白いんじゃなくて、ついつい歌舞伎の真似をしてしまう、登場人物の歌舞伎への入れ込み具合、が面白い訳であって、別に歌舞伎でも何でもいいわけです。で、なんで歌舞伎なのかというと、江戸時代、子供から老人まですべからく夢中になっていた芸能は歌舞伎であって、要は「超ベタな題材をつかった爆笑ネタ」なんである。何で今まで気付かんかったんやろ。落研出身の過去を隠したい位です。ジュノンスーパーボーイコンテスト出身にしとこうかな(どうでもいい)

 おそらく明通寺で見た栄歌さんの「七段目」は、100年前の日本人が見ても爆笑するだろうし、100年後の日本人が見ても「芝居噺って面白い!」って笑える、本当の意味での本寸法やなと。古典を古典のままやることがただただ正しい訳ではなく、人間のこっけいなさまをきちんと描く事がすなわち、本当の意味での本寸法なんだろう。そんな気付きに満ちておりました。

 上述した下座陣(+無眠さん猿さん)のハメモノ入りで、臨場感と迫力タップリ。得がたい感動でした。



とまあ、タップリ、ほんとにタップリの内容で、メタルスライムを3匹倒した位の経験値は稼がせて頂きました。大してレベルアップはしてませんけど。

今回の経験を糧に、今後の自分の舞台をより良いものにして行ければ良いな、ひいては社会人落語がもっともっと盛り上がると良いなと思っています。

しかし、一山超えた時にいつも思うけど、この年になって何を必死になってるんだろう。
たぶんもっともっといいもの見たいからだろう。普通に暮らしてたらたどり着けない場所、見えなかった景色を得られるからだろう。

青春こじらすと、ほんとえらいことになるわ。
皆さんも気をつけてください。
僕はとうぶん、お熱が取れそうにありません。


いこうぜ いこうぜ 全開の胸で
いこうぜ いこうぜ 震わせていこうぜ
もっともっと もっともっと 見たこと無い場所へ
ずっとずっと ずっとずっと 種をまいていく
全開の胸 全開の声 全開の素手で
感じることが全て 感じたことが全て


  (フラワーカンパニーズ「深夜高速」)




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